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スポンサーおよびCROが分散型臨床試験(DCT)に求めていること

2021-11-10 - < 1 min read
スポンサーおよびCROが分散型臨床試験(DCT)に求めていること

あるトップCROによると、彼らが実施する臨床試験の約70%は、少なくともなんらかの分散型臨床試験(以下、DCT)の要素を含んでいます。COVID-19のパンデミックにより、CROとスポンサー双方にとって、DCTの要素と臨床試験を実施する上でのメリットが強調され、多くの場合、それが必要とされていることを考えると、この数字は控えめなものかもしれません。

DCTには、eConsent、ePRO、遠隔医療、患者からデータを収集するウェアラブルセンサー、無作為化および治験薬供給管理システム(RTSM)を通じた治験薬/デバイス/その他の供給品の患者への直接配送など、患者エンゲージメントの要素が1つ以上含まれます。

メディデータ・ソリューションズのシニアプロダクトソリューションスペシャリスト、Michael Tuckerによれば、臨床試験で使用される要素が何であれ、DCT には多くの場合、患者のエンゲージメントを向上させ、臨床試験への患者のアクセスを増やし、患者の安全性を確保するための新しい技術が組み込まれているといいます。

「治験チームは、患者が治験実施施設でも遠隔地でも、どのように参加したいかという選択肢を持つことで、患者がプロトコールを遵守し、より便利に治験に参加できるようにすることができます」と彼は述べ、「DCTとは何かについては複数の定義があり、DCTについて議論する際にはしばしば混乱を招くことがあります」とも付け加えます。

多くの場合、スポンサーはDCTが実際にどのようなものであるかを知りたいと考えていますが、実際のユースケースを示すことで彼らが求めているものを明確にすることができます。

メディデータの mHealth 製品、バーチャルプラットフォーム、DCT プラットフォームのセールスソリューションスペシャリストである Hugh Caplanは、次のように述べています。
「CRO やスポンサーが DCT を実施しようとする際、一般的に彼らが最初に知りたいことは、『プロトコルをサポートするために技術的観点からベンダーが提供できるものは何か?』ということです。

加えて、テクノロジーベンダーはテクノロジーを持っているだけでなく、そのテクノロジーが導入される規制の状況にも精通していなければなりません。例えば、Caplan によれば、スポンサーはeConsent を導入したい場合、どの国が電子署名を受け入れ、どの国では受け入れられないかを知ることは、メディデータのような企業からの情報に頼ります。ePROに関しては、スポンサーとCROは、質問の表現方法や画面サイズが質問に与える影響など、各国固有の規制を知る必要があり、ePROからのデータや情報が正しく入力されているかどうかも確認する必要があります。

Tuckerによると、CROとスポンサーの違いは、CROは試験の運営サービスをサポートするテクノロジープラットフォームの一部を探しているだけの場合が多いのに対し、スポンサーはソリューション全体を求めている場合があるということです。「私たちの役割は、プロトコールを見て、適切なバーチャル化と分散化レベルを決定し、より患者さんを中心とした試験を合理化する方法をクライアントやパートナーにアドバイスすることです。多くの場合、従来のサイトベースの臨床試験の実施と、患者とスポンサーの両方のニーズを満たす完全な分散型臨床試験の実施との間で、ある程度のハイブリッド化を適用することが可能です。私たちはこれを、適切な範囲の仮想化で臨床試験を調整するために「トライアルダイヤルを回す」と表現しています。」

彼は、多くのスポンサーやCROがDCTの要素に精通していてもそれに関する規制やルールについては詳細を把握していないことがある、と付け加えます。しかし規制遵守は、試験の成功に不可欠です。多くの規制当局は、同意書に署名する人やデータにログインする人が、実際に試験に登録する本人であることを確認したいため、リモートでのeConsentとePROは潜在的な課題として挙げています。そのためには、ソリューションでサポートされるID認証の方法が必要となります。

「電子的な同意取得やePROを利用した日誌やアンケートデータの収集については検証が必要になる」、と彼はいいます。「間違いがないか確認するためのエディットチェックを含むデータの整合性の確保のためには、適切なセキュリティと検証方法が求められます。」

メディデータは、DCTをシームレスにサポートするために、myMedidata eConsentmyMedidata eCOARave RTSMRave EDCRemote SourceReviewTargeted Source Document Verification(TSDV)などのツールを提供しています。データの収集と同様に重要なのが、データに対する分析の実行です。メディデータはその点もカバーしています。

「一度データが Medidata Clinical Cloud に入ると、それらのデータはリアルタイムで分析する [人工知能] の機能を得て、その後治験チームに送られます。当社はデータの収集だけでなく、データの活用にも携わっています。それが私たちの特徴です。」とCaplanは述べています。

TuckerとCaplanは両人ともCOVID-19のパンデミックが業界におけるさらなるDCTを採用する分岐点になったという見解を示しています。

「COVIDが起こったことで、長きにわたって私たちが布教していきたことを誰もが求めるようになりました。最も多かったのは遠隔診療(テレメディスン)とリモートによる同意取得です。」とTuckerは話す。

DCTには、試験の管理・モニタリングを効率化するスポンサー向けのソリューションも含まれています。CRO やスポンサーからの要求に応え、また新たなガイダンスや規制を考慮し、メディデータはパンデミック下で「Remote Source Review」という、モニターが遠隔地で文書を閲覧できるようにする新たな製品を発表しました。

「治験施設が文書をスキャンしてシステムにアップロードしたり、モニターが遠隔地で安全なレビューを行ったりことができるメディデータがもともと持っていた技術をいかしてこの製品をリリースしました。これにより、現場とモニターがリモートで同じようにドキュメントを確認し、問い合わせをすることができるようになりました。これは、パンデミックの際にお客様に大きな影響を与えたと自負しています。」とTuckerは述べています。

COVIDが流行する中で行われたもう一つの変更は、RTSMの機能改善で、治験薬や関連資材をデポから患者に直接出荷できるようになったことです。この技術は現在、myMedidataプラットフォームにも組み込まれており、患者が出荷・配送状況を追跡できる一方、スポンサーやCROはそれらが受領されたことを確認することができます。

テレメディスン機能も改善が行われ、セキュアな状態で患者との一対一のコミュニケーションができるようになっています。Tuckerは「この機能を標準化してmyMedidataプラットフォームに組み込み、患者が同意プロセス中でも会話を始められるようにしました。」と述べています。

臨床業界はいま、人々が慣れ始めた情報共有のあり方に対応していくための変化と適応を続けています。銀行取引やメッセージのやり取り、買い物、イベントの予定など、日常的な商取引にモバイル技術が利用されるようになっており、患者もこうしたテクノロジーに慣れ親しみ、同じようなツールを使って臨床試験に参加できることに期待を寄せています。CRO とスポンサーは患者の期待に応えるため、変化する規制に準拠した信頼できるソリューションを提供するパートナーを求めており、メディデータは実際にそのパートナーとなっています。

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