試験参加者の信頼を獲得し、維持するには
臨床試験では、試験参加者ほど重要な人はいません。彼らは自分の時間や体を、より大きな利益のために捧げています。
臨床試験の参加は、無私でありながら個人的な行為であり、世界中の健康を改善する可能性を持っています。だからこそ、メディデータはスポンサーが臨床試験参加者の信頼を獲得し、育てていくための支援に尽力しています。
臨床試験がスポンサー、研究者、参加者の真のパートナーシップであると感じられるとき、そこでは透明性とコミュニケーションが結果やデータと同様に重視され、その経験は誰にとってもより大きな成果をもたらすと、私たちは信じています。
臨床試験参加者の声に耳を傾け、学ぶ
私たちが関わるすべての臨床試験に患者の信頼を取り込めるよう、メディデータは2019年にPatient Insights Boardを設立しました。臨床研究および医療とデータ保護のより広範な分野に適用される信頼の概念について理解を深めるため、臨床試験参加者に深く話を聞き、彼らの個人的な経験について尋ねました。
これによって得られた情報は、当社のソリューションとサービスの改善に役立つと同時に、より実用的なインサイトをスポンサーに提供し、臨床試験をより患者中心のものにするために役立てることができます。
「新薬やワクチン、医療機器の上市までの時間を短縮したいのであれば、より多くの人が臨床試験にアクセスできるようにし、その経験を最適化する必要があります。患者さんは人であり、私たち関わりあい、感謝されるべき人たちです。」
– Kelly McKee, COVID-19 関連試験参加者 / Vice President of Patient Registries and Recruitment at Medidata
臨床試験における患者との信頼関係の基盤
さまざまな経験を持つ臨床試験参加者との会話から、臨床試験において患者の信頼を確立し維持するための普遍的な真実がいくつかあることがわかりました。
明確なコミュニケーションが不可欠である – 臨床試験を成功させるには、スポンサー、研究者、参加者の間で多くのコミュニケーションをとる必要があります。しかし、その情報は必ずしもわかりやすいとは限らず、また参加者にとって最も有益な方法で優先順位が付けられているとは限りません。臨床試験参加者との信頼関係を築くには、プロセスの早い段階で、何がなぜ行われるのかを正確に理解することが重要です。そうすることで、その後のコミュニケーションがより効果的になり、治験の経験を通じて信頼を確立することができます。
プロセスは患者に焦点を当てるべきである – 臨床試験参加者はそれぞれが全く異なる個人のため、各試験はできるだけ多くの異なる患者タイプに対応するように設計されなければなりません。これはインフォームドコンセントフォーム(ICF)から始まります。ICFを作成する際には、すべての患者のニーズと懸念を考慮し、そのアプローチを臨床試験のプロセスを設計する際にも継続し、全体的な議題がすべての参加者の健康と安全に一致するようにします。例えば、メディデータではPatient Design Studioを開催し、製品を設計する際に患者アドボケイツに参加してもらうようにしています。このような観点から、開発ライフサイクルの最前線に患者中心主義が維持されるようにします。
パーソナルに徹する – 安心して治験に参加するためには、参加者は治験を実施する人を信頼できなければなりません。そのため、臨床サイドの医師、研究者、スポンサーなど全関係者が、参加者と接する際にできるだけ人間味を持ち、協力的であることが非常に重要となります。臨床試験を実施する人々が、収集したデータと同様に参加者の安全と快適さを重視していることが明らかであれば、真の信頼が確立されるでしょう。
Honesty and transparency are the best policies正直さと透明性が最高のポリシーである – 試験中のデータ漏洩や、一部の製薬会社が人よりも利益を重視するという認識により、この業界における信頼が損なわれています。スポンサーは、前もって懐疑的な見方を認め、臨床試験プロセスの透明性を高めることでそれに対処することで、参加者が臨床試験プロセスに対してより信頼感を持てるようにするための重要な一歩を踏み出すことができます。治験の動機と期待を明確にし、その結果を率直に伝えることで、患者を単なる参加者としてではなく、真のパートナーとして評価していることを示すことができます。
都度フィードバックを求める – 臨床試験において、参加者は非常に多くのものを提供するよう求められますが、時折実施されるフィードバックアンケート以外で、経験についての感想を求めることはほとんどありません。スポンサーは、参加者がプロセスを容易にする方法について継続的に意見を求めることで、患者コミュニティとの信頼関係を構築することができます。また、これらのインサイトは、プロセスの新たな効率化を促進し、臨床試験の継続数を向上させる新たな方法を見つける可能性があります。
患者の声を通じてより良い臨床試験を構築する
臨床試験のライフサイクルを通じて参加者とコミュニケーションをとり、エンゲージすることは、最高の患者体験を提供するための鍵となります。この患者中心のアプローチは、患者の信頼を獲得し維持することを優先し、臨床試験の実施に関わるすべての人に価値を提供します。